「あ……」

 エリオットのパジャマの胸元を握りしめて、シュエットは彼を見上げた。

 見上げた先で、一瞬だけ焦ったような表情を見せたエリオットだが、シュエットの視線を感じてすぐに穏やかな笑みを返してくれる。

「大丈夫。怖くないよ。ほら、僕の心臓の音を聞いて……ゆっくり……ゆっくり……うん、上手だよ」

 背中を撫でていた手が、呼吸をゆっくりにすると褒めるように頭を撫でてくれる。

 それがくすぐったくて、気持ち良くて。シュエットは押しつけられたエリオットの胸に耳をすませて、彼の心音を聞きながら少しずつ呼吸を遅くさせていった。