そう、嫁だったら最高なのだ。

 だが残念なことに、エリオットは男で、なれるのは嫁ではなく旦那である。

「これでちょっと、男らしく迫ってくるような勇気があれば……」

 そうして思い出すのはやっぱり、シュエットに変わって父に抗議してくれた時のエリオットの姿。

(あの時は、本当にかっこよかった)

 颯爽と現れた、騎士様のようだった。

 普段は、守ってあげなくちゃと思わされる優しい人なのに。

(あのギャップは、ダメよね。誰だって、ときめくに決まっている)

 思い出して、むず痒い気持ちになる。

 シュエットはたまらず、ベッドの上でジタバタと手足を動かした。