「困らない。僕で良ければ、聞かせてほしい」

「ありがとう、エリオット」

 持っていたサンドイッチをランチボックスへ戻したシュエットは、ぽつり、ぽつりと話してくれた。

 店の経営があまり良くないこと。シュエット一人が生きていくには十分だけれど、店がこれ以上繁盛する見込みがないこと。魔導式通信機が出回るようになってから、フクロウの人気が落ち込んでしまったこと。

「新しい家族が見つからないのは当然かもしれない。でもね、やっぱり大事な子たちだから、愛してくれる家族を見つけてあげたいのよ」
 
 シュエットは店内を見回した。

 彼女の言葉に答えるように、店内にいるフクロウたちが「ホゥ」と鳴く。まるで「自分たちのことは気にしないでよ」と言っているように、エリオットには聞こえた。