悩むエリオットは、初めての恋に夢中になっている少年のよう。

 もともと容貌は良かったが、気持ちが変わったせいか、さらに綺麗になった。

「男相手に綺麗っていうのもおかしな話だが……事実なんだから仕方ねぇよなぁ……はぁ……すげぇな、シュエット様。たった一晩で、エリオット様を変えやがった」

 自分のことを道具だと言い切り、人生に喜びも楽しみも見いだせなかった彼を変えた、選ばれた花嫁──シュエットは、一体どんな女性なのだろうと興味がわく。

 美少女だろうか。もしかしたら、朴訥とした子かもしれない。

「できれば、サボり癖のあるこの人をきっちり締めてくれる人がいいなぁ」

「なにか言ったか? メナート」

「……清潔感が大事だと思いますよ、って言ったんすよ。女性は不潔な男が嫌いですから」

 いつか、会えるだろうか。

 まさかもう会っているとも知らず、メナートはベッドのそばへ歩み寄った。