「なぁ、メナート。これとこの組み合わせは、どうだろう?」

 メナートは「はぁ」とため息を吐いた。泣き喚いているのも、馬鹿馬鹿しい。

 それに、エリオットが他人に対して執着することは、悪いことではないだろう。

 小川に浮かべた笹舟のように流されるまま、そこらにある小石のように静かに息をするだけの彼に、一体何が楽しみで生きているのか不思議に思っていた。

「ここ以外に執着するものができれば、少しは楽しく生きられるんじゃないですかね」

 独り言ち、メナートは立ち上がった。

 エリオットが服装について悩む日が来るとは思ってもみなかった。ましてや、メナートに相談してくるなんて。

 少しは仲間だと、友達だと認めてくれているのだろうか。