壁にかけられた時計を見上げたラパスが、カッカッとクチバシを鳴らす。

「あら、もうそんな時間?」

 時刻は、まもなく開店時間の十時。

 シュゼットは急いでドアの窓にぶら下がったプレートをひっくり返して『OPEN』にした。

 特注のフクロウ時計が「ホッホゥ」と鳴き出す。

 時刻はジャスト十時。本日も、ミリーレデルのフクロウ百貨店、開店である。