「……わかったわ、エリオット。敬語は、やめる。あなたも気楽に話してちょうだい」

 好奇の視線に晒されて、シュエットは居た堪れない気持ちでいっぱいだ。

 なんとかそれだけ絞り出すように早口で答えると、つないだままだった手を引っ張るように歩き出した。

「ああ。嬉しいよ、シュエット。ありがとう」

 エリオットは周りの視線なんて気付いていないのか、それとも気にしていないのか。

 破壊力抜群の顔でほほえみかけられて、シュエットはうめいた。