そんな彼女の隣では、エリオットがキョロキョロと物珍しそうに周囲を見回しながら歩いている。

 放っておけば脇道に入っていきそうで、ハラハラしていたシュエットだったが、タイミング良くピピから、

「第二の試練じゃ。手をつないで歩け!」

 と言われたこともあり、手をつないでいた。

 貴族令息かと思いきや家事が得意だったり、かと思えば、観光地として有名なペルッシュ横丁を物珍しそうに歩いたり。

 エリオットという人は、よくわからない。

(でも不思議と、触れることに抵抗がないのよね……)

「シュエット、どうかしたのか?」

「なんでもないわ。それより、早く買い物を済ませてしまいましょう。夜ご飯は、エリオットにお願いしても良いかしら?」

「ああ、任せてくれ。料理も、得意だから」