久しぶりの感覚に、つい嬉しくなって声が弾む。

 ふと気付けば、慈愛に満ちた見守るようなあたたかい視線で見られていて、シュエットはハッとなった。

「ごめんなさい、つい……卒業してからは魔術とはかけ離れた生活をしていたから、楽しくなってしまって」

 恥ずかしそうにシュンとしながら椅子へ座り直すシュエットに、エリオットが「いや」とあるかなしかの笑みを浮かべた。

 ささやかな微笑みは、高貴そうな見た目も相まって、とても上品に見える。思いがけず大人の男の色気のようなものにあてられて、シュエットは頰を赤らめた。