モニュモニュとくすぐったそうに唇が動いている。かなり、嬉しかったらしい。

「それで……話、なのだが。僕は今、ヴォラティル魔導書院で司書の仕事をしていて……あ、ヴォラティル魔導書院は知っている?」

「ええ。利用したことはありませんが、知っています。世にも珍しい、魔導書が鳥の姿をしている魔導書院ですよね?」

「ああ、そうだ。そして、そこにいるモリフクロウは、魔導書なんだ。それも、持ち出し禁止の禁書と呼ばれる類の」

 魔導師の国、リシュエルにおいて、魔導書はとても重要なものだ。

 だからこそ、特殊な方法で厳重な扱いを受けている。