(……なんというか、聞いていたよりも随分とかわいらしい人みたい?)

 人付き合いが悪いという話だったが、もしかしたら人付き合いが悪いのではなくて、下手なのかもしれない。彼からは、シュエットとどう接したら良いのかわからないという戸惑いが、ビシバシ伝わってきた。

 なんだか、小動物みたいな人だ。

 シュエットの脳裏にふと、真っ黒い子猫が浮かぶ。

(カフェオレのカップに顔を寄せてフーフーしている子猫……かわいい)

 おひげにミルクをつけていたらもっとかわいい、なんてシュエットに思われているとも知らず、エリオットはカフェオレを一口飲んでフゥと息を吐いた。

 小さく「おいしい」と呟く彼に、じわじわとシュエットの顔に喜色が浮かぶ。