「──……ひまちゃん」
……優しい響きで、私の名前を呼んでいる声がする。
私の名前そんなふうに呼んでくれてたのは誰だったのか。
今はもう、思い出せないや──……。
あれから数十年が経ち私、三木陽は高校2年生になった。