陽雅の想いを聞いてから、日々を重ねてもうすぐ冬になる頃。



紗綾とも会話を交わすようになり、笑顔を見せるようになった。


外は寒いけど、倉庫の中は確実に、暖かくなっていった。



紗綾「おはよう、みんな!」

怜「おはよ〜!」

宗谷「おはようございます紗綾さん。」

「はよ。」

天根「おっは〜。」

陽雅「おはよう。」



紗綾をここに迎え入れると陽雅が宣言したあと、紗綾の気持ちを確認した。

そして、紗綾は小さい声だったけれどこう告げた。





『…………変わりたい。』





ということで、姫として雪峰にお迎え。


パーティーを行い、盛大に歓迎した。


怜は紗綾になつき、気がつけば抱きついている。

いや、距離近すぎだろ。


抱きつくたびに、陽雅の方からかすかに殺気を感じるのは勘違い…ではない、な。

彼女でもないのにこんなに独占欲が強いと、付き合ったら大変だろうな。




その日の紗綾の格好は、ニットワンピ。丈が短いからロングブーツを履いている。


白色のニットワンピが紗綾の青がかった黒髪によく似合う。



紗綾「今日ちょっと寒いね…。あ、これ差し入れ。コンビニで買ってきたんだ〜!」


怜、宗谷、天根、俺の順番に渡していって、最後に陽雅。

頬を紅潮させながら、


紗綾「陽雅はこれ!受け取って、くれる…?」



と、首を傾げながら告げる紗綾。

いやかわいいな。


陽雅「あ、ありがとう。いただくな。」

紗綾「えへへっ。」



なんだこのほっこりした空間は。

はたからみたらカレカノの様子な陽雅と紗綾。

でも、まだ付き合ってない。陽雅が紗綾のことが好きなのはもうバレバレ。紗綾のことを見るときだけ表情が違うんだ。

紗綾も陽雅のことが好きっぽいけど、本人は気づいてないだろうな…あの様子じゃ。


陽雅……頑張れよ。