いつものように、小さなテーブルで向き合って夕飯を食べる私たち。

既にありふれた風景になりつつあったけれど、とても幸せだった。

「アキラさん…。やっぱり、今日はなんだか様子がおかしいよ」

「そんなことないって。レイくん、試験期間はもう終わったんだっけ?」

「うん。新聞配達は毎日あるけど、それ以外の時間はゆっくり出来るよ」

「そっか…お疲れ様!大変なのに、本当によく頑張ってきたよね」

しがないフリーターの私なんかとは、まるで違ってね…。

そんな卑屈な言葉は、心の中だけにとどめておく。

「僕みたいな根性なしが頑張れたのは、いつもアキラさんが支えてくれたからだよ?本当に感謝してる。アキラさんが居なかったら、きっと挫折してたんじゃないかな」