男子たちだけでなく、女子の一人も好き勝手を言っている…。

私は、勝手なことばかり言う彼らへの憤りから、握りしめた拳に爪が食い込む。

「私は別にそんな…!でも、夏川くんは、そんな人じゃないと思う…」

サオリと呼ばれた女子が、小声でそう呟く。

他のメンバーと違って、おとなしく、聡明で可愛らしい雰囲気だ。


かつてレイくんは、私だけが落ち着いて話せる相手と言ってくれた。

しかし、彼を悪く言う人だけでなく、こうしてちゃんと判っている人もいる。

よりによって、レイくんによく似合いそうな女の子が…。