そのあと、レイくんが丁寧に手当てをしてくれた。

「傷口、浅くて安心したよ」

そう言って彼は微笑む。

「はい、これで大丈夫。でも無理はしないで」

「ありがとう。夕飯、まだ作り始めたところだったのに、ごめんね」

「夕飯のことは気にしないでいいよ。たまには外で食べようか」

「それもいいね」

私たちは、駅の飲食店街へ向かった。

「やっぱり便利だよね。2、3分歩いたら、食べ物屋さんも結構あるんだから。というか、私があまりにも田舎者過ぎるんだろうけど…」

「いいんじゃない?他の人が当たり前だと思ってることを、便利だ、有難い、って感じられるって。僕はそういうアキラさんが好きだよ」