私は慌てて手放してしまっていた破城槌を拾い上げ、身体の前に起き、それを防ぐ。

「きゃあああ! なによこれぇ‼︎ 死んだんじゃないのぉ⁉︎」
「グゥゥ! 分からん! これではアリシアを救いに近づくことができん!」

 アメちゃんも自分の身体を守るのが精一杯で、その場から動けなさそうだ。
 いつまで続くか分からない巨大な石つぶてに、私はこうしているのが面倒になった。

「えーい! いつまで飛ばしてるつもりよ! この死に損ない‼︎ あんまりチンタラやってたら、ブレイブたちが来ちゃうでしょ‼︎」

 私は破城槌を両手に抱えると、そのまま突進した。
 飛んでくるアダマンビートルの欠片の多くは、破城槌に弾かれていく。

 それでもいくつもの欠片が私の身体に小さな傷を作っていくけれど、この際そんなのは無視だ。
 そもそも怪我なんて、後で治せるしね!

 私はアダマンビートルの甲殻が所々なくなった部分を狙って、破城槌を突きつける。

「喰らえー‼︎」

 私が叫ぶと、破城槌に刻まれていた文字が輝き、突然巨大な雷にうたれたような閃光が起きた。

「わ! 何これ⁉︎」

 さっきとは違った痙攣のような動きをした後、アダマンビートルは今度こそ動くのを止めた。