アダマンビートルの腹と地面の隙間を駆け抜け、アダマンビートルの体の外へと飛び出した。

 私が再び暗いアダマンビートルの体の下から、日の下へと出た瞬間。
 アダマンビートルは地響きと大量の土埃を出しながら、地面に落ちた。

「やったぁ! やっつけたね‼︎ これでもう、ブレイブが来ても安心だよね! ね、アメちゃん!」

 私がアメちゃんの方に身体を向け、笑顔でそう言った矢先、アメちゃんが真剣な顔で私に叫んだ。

「まだだ! アリシア‼︎ 構えろ‼︎ 来るぞ‼︎」
「え?」

 アメちゃんの目線は私を通り過ぎ、後に向いていた。
 私は何事かと、再び後を振り向いた。

 その瞬間。
 アダマンビートルの体が細かく振動し、耳障りな高音が耳を叩いた。

 私は思わず両手で耳を塞いだ。
 すると、アダマンビートルの甲殻に無数の亀裂が走り、一斉に弾け飛ぶ。

 もともとびっくりするくらい硬い甲殻が、投石機で打ち出したような速度で飛んでくる。