第17話
「どのくらい飛べるだと? どういう意味だ?」
「だから、どのくらい高く飛べる? ちょっとお願いしたいことがあるの」

「よく分からんが、逃げ出すなら、別に地を駆けても問題ないぞ。言ったであろう? アダマンビートルは動きが遅いと。我の速さに到底追いつくことなどできん」
「だーかーらー! そうじゃなくて‼︎ どれだけ高く飛べるか知りたいの‼︎」

 私はその場で地団駄を踏む。
 アメちゃんはおろおろとしている。

「わ、わ! すまん! どれだけ高く飛べるか知りたいんだな! 鳥が飛ぶ高さくらいなら、訳ないぞ‼︎」
「ほんと⁉︎ じゃあ、ちょっと乗せてね。いいよ‼︎ アメちゃん、思いっきり飛んで‼︎」

 私はさっきのようにアメちゃんに跨り叫ぶ。