それに呼応するように、アダマンビートルが、身体ごと私の方へと向きを変えた。

 かなりの重量があるのか、アダマンビートルが動くたびに、大きな音とともに土埃が舞う。
 私はバイソーのように、破城槌を突き出したまま、アダマンビートルに突進した。

 ガ、キーン‼︎

 硬い金属がぶつかり合うような音がして、私の小さな身体は弾き飛ばされてしまった。
 慌てて体制を整えアダマンビートルの方を見ると、傷がついているものの、アダマンビートルは平気そうな顔をしている。

「それは無謀だ。アリシアよ。重さが違いすぎる。もっと速度があればなんとかなるだろうが……」
「速度か……うーん」

「昆虫は甲殻は硬いが、腹部は柔らかいと聞く。どうにかしてひっくり返すことができれば、なんとかなるかもしれんな」

 アメちゃんがなんだかごちゃごちゃ言っているけど、ひとまず置いておいて。
 私は速度を今より出す方法を考えていた。

 確か、ザードが昔なんか言ってた気がするんだけど……
 そうだ‼︎

「ねぇ! アメちゃん! アメちゃんって、どのくらい高く飛べる⁉︎」