アメちゃんの言葉でさっきの出来事を思い出す。
 人に言われて話しながらだと、忘れちゃったことを思い出せること、あるよね!

 そうと分かれば、私は髪飾りを外し、右手に持つと、元の大きさに戻れと願いながら、慈母神マーネスに祈りを捧げた。
 すると、みるみるうちに手に重さを感じ、髪飾りが破城槌の大きさに戻った。

「やった! アメちゃんありがとう! これで戦えるよ! アメちゃん、私を降ろして‼︎」
「一人で行くというのか? 無謀だぞ! 如何なハノーファーといえど、アダマンビートルの甲殻を破るのは容易ではない‼︎」

「そんなのやってみないと分からないでしょ! それに、アメちゃんの上から破城槌で攻撃できるほど、私器用じゃないもの。それなら、自分の身体だけの方が信頼できる!」
「そうか……分かった。降りやすいように小さくなろう」

 アメちゃんがさっきの子犬の大きさまで小さくなってくれたので、私は地面に足を下ろし、破城槌をアダマンビートルに向かって突きつけた。