第16話
 私はアメちゃんの背中に跨ってみた。
 短い脚がちょっとだけ浮かんでいるけれど、乗り物というには心もとない。

 ちょっと見た目にもシュールなんだけど、この格好でいいのかな?
 そう思ってたら、私の乗っている乗り物、つまりアメちゃんの身体が徐々に大きくなっていった。

「わー! 高ーい‼︎ 凄ーい‼︎」

 大きさはさっきの大きさと元の大きさのちょうど中間くらい。
 それでも視界がずいぶん高くなり、私は興奮する。

「移動中は結界を我の周りに作るから、適当に毛に掴まっているだけで良いぞ。では……いくぞ!」
「わ、わ! 速い! 速い‼︎」

 ビュンビュン景色が流れていく。
 馬に乗ったこともあるけれど――ブレイブと一緒にだけど――それよりももっと速い。