第15話
「で、アリシアはどこに向かいたいのだ? そのブレイブという者たちが何処にいるのか、分かっているのか?」

 思う存分アメちゃんをもふもふした後で私が離れると、アメちゃんそう聞いてきた。
 ブレイブが向かった先はトホクなのは分かっているけれど、肝心のトホクの方向が分からない。

 うまく説明できるか分からないけれど、とりあえずアメちゃんに今起きたことをありまま話してみよう。
 もしかしたら神獣の力でなんとかしてくれるかもしれない。

「えーとね……あ、話し方は今のままでいいよね? 神獣様に話すにはもっと丁寧な言葉遣いがいいんだろうけど、私そういうの苦手で」
「構わんぞ。アリシアは我が主。気兼ねなく、思った通りの話し方にしてくれ。それで? 迷ったとはどういうことだ?」

「うん。ありがとう! ブレイブたちは受けた討伐依頼を達成するために、トホクっていう街に向かったんだけれど。私もそのトホクに向かう途中で、気づいたらここにいたのよね」
「トホク? すまんが、人間の作った街の名前は記憶していないのでな。その方角が何処にあるのかは我にも分からん。しかし、案ずるな。アリシアよ。ブレイブという者のことを頭の中でできるだけ明確に思い浮かべてみよ」

 ブレイブのことを思い浮かべる?
 私はつい最近別れたばかりのパーティのリーダーのことを頭の中に描いてみた。

 頭の中には、純白の武具を身にまとった、金髪碧眼の美男子が笑顔でこちらを向いている。