第13話
「うーん。とにかく、地図を見ましょうかしら」

 そう独り言を口にしながら、懐に大切にしまっていた地図を見る。
 あ……今、なんだかブレイブの声で「地図は見ながら歩くものだろ……大切にしまってどうするんだ……」って聞こえた気がする。

 なんだか、お小言を今までもらいすぎて、こうやって幻聴まで聞こえてくるなんて。

「大体。いつもブレイブたちの後ろというか、挟まれた状態で着いていってただけだし。それまではずーっと教会で暮らしてたわけだし。ちょっとくらい道に迷ってもしょうがないのよね!」

 決して自分で自分に言い訳をしているわけではない。
 ないったらない。信じて……

「えーっと、多分走り始めた時はこの辺りの道にいたと思うから、この方角に真っ直ぐ……あ、ダメだわ。全く分からない」

 ゲッティンゲンの町長モーブに描いてもらった地図は、ゲッティンゲンからトホクまでの道のり。