『お前たちが我の前に姿を現した報酬として、外に控えさせていた魔獣の群れに近くの町を襲わせた。防ぎたければ、できるだけ早く我を倒すのだな』

 その言葉が引き金となり、ブレイブたちと魔族の戦いが始まる。
 まだ余力をあるようにも見えたが、ブレイブたちは魔族に善戦していた。

 そして……

『ふむ……まさか。こんなことが起きるとは……我も今までのように遊んでいる場合では無くなったという事だな』

 そう言うと、突然魔族はその場から姿を消した。
 後に残されたブレイブたちは互いに目を合わせあい、そして一斉に出口へと急いだ。

 主を討伐すればその率いていた群れは統率を失う。
 しかし、主が逃げたとしても生き残っていれば、群れは群れのままだ。

 つまり、町へ向かったという魔獣の群れは、いまだに町を襲っているということ。
 魔獣の規模は全く分からないが、一般市民が魔獣に敵うことなど、まずない。

 ちょうど力自慢が多く集まっているようだが、それでもブレイブたちが急いで現場に駆けつけるに越したことはないだろう。