「僕もそう思います。アリシアちゃんには悪いですが、これ以上は無理かと」

「それより、もう戻れないのか? 戻れるなら、多少遠回りでもその方法を探した方が……」
「難しいでしょうね。肉体に変化を及ぼす魔法は私の知る限りでもひと握りです。ましてあんな魔法となると……」
「だからよぉ。俺はいつも言ってたんだぜ。アリシア一人っきりにしたらダメだってよぉ」

 なんだか三人でゴニョゴニョ話しているみたいだけれど、こちらにははっきり聞こえない。
 全く、大の男三人で隠し事だなんて。

 それにしても、今日はなんだか三人の声まで少し遠く、いや、頭の上の方から聞こえてくる気がする。
 あれ? そういえば、私のことちゃん付けで普段から呼んでたっけ?

 いまだに密談を続ける三人に痺れを切らし、私は声をかけた。

「ちょっと、みんな! さっきからなにこそこそ話してるのよ? 今日から西にある洞窟を根城にする魔物たちの討伐に向かうんでしょ? そろそろ支度しないと」
「いや。アリシアちゃんは無理だろ? もう一緒に行けないだろ? なぁ?」

 そう言って、ファイは隣にいるブレイブとザードに同意を求めた。