気になって私から口を開く。
 思ったことはすぐに口にするのが私の良いところだ。

「何? どうしたの?」
「え⁉︎ あ、いえ……贈物を指定していただけるという話でしたので、お待ちしておりました。何をご所望でしょうか……?」

「あ! そうだったわね! それじゃあ、言うわね!」

 ゴクリ、とおじいさんの喉の鳴る音がこっちまで聞こえてきた。
 そんなに身構えられると、ちょっと困るが、これだけは言わずにはいられない。

 確かに少しわがままかもしれないけれど、町を魔獣の脅威から救ったのだから、その対価をもらっても慈母神マーネス様のバチは当たらないだろう。
 私は思い切って、親指と小指だけ折った右手をおじいさんに突き刺し、答えた。

「カンロアメを三つちょうだい‼︎」
「は……?」

 一瞬の沈黙。
 どうしてだろう。三つはちょっと欲張りすぎただろうか。

 やはり二つまでにするべきだったか。
 いや、町を救ったのだからまず一つ。

 戦神の再来に喜んでいるようだから二つ。
 そして、私が可愛いから三つ。