「戦神様‼︎ この町の町長をさせていただいております。モーブでございます‼︎ 私の代でこうして戦神様をお目にかかれるとは光栄の極み‼︎ どうか、戦神様に町から贈物を献上することをお許しください‼︎」

 私が思案していると、頭の照りが眩しいおじいさんが駆け寄ってきた。
 頭はもう一本も残っていないのに、口元には立派な横に伸びた白い髭を蓄えている。

「おくりもの? 待って。それって、こっちから要望してもいいの?」
「もちろんでございます! 町で用意できる物ならなんなりと‼︎ しかし……前戦神様は、人の二倍はあるほどの筋骨たくましい大男だったと伝わっておりますが、はてさて……新しい戦神様がこんなに可愛らしい方だとは。正直驚きです」

 あ。このおじいさんは良い人決定。
 そうよね。よく分かってる。
 可愛いなんて……照れる。

 私がにまにましていると、おじいさんは少し困った顔で、私の顔を覗き込むように窺ってきた。
 何かあるのだろうか。