とりあえず、このでっかい柱、破城槌を抜ければ手頃な武器になりそうだ。

「えーと……持つところは……あ! あった‼︎」

 ちょうど私こうでの高さのところに、大人の手の平を二つ並べて持てる分ぐらいの長さの柄がある。
 とりあえず、そこを掴んで上に引っこ抜いてみる。

「んんんー!! 抜けなーい!! ……抜けたッ!!」

 土に刺さっていた部分の長さはさほどでもないが、とにかく重い。
 全長は一際背の高いファイよりも大きいだろうか。

 太さは、大の大人がすっぽりと隠れることができるくらい。
 先端は中心に向かって緩やかに尖っている。

「よーし。ちょっと重いけど、これなら避けられないでしょ! あんたたち、覚悟しなさい!!」

 既に私が相手をしていた以外のバイソーたちは、広場にある建造物を壊し始めている。
 早く倒さないと、どんどん被害は広がるだろう。

 私はとりあえず身近にいた一頭に、破城槌を振りかぶった。

 グシャっ!!

 あまり心地いいとは言えない奇妙な音とともに、破城槌で殴られたバイソーは動かぬ肉片と化した。