第4話
 私はウキウキした気分で街道をひた歩いていた。
 目指すは西の洞窟。

 既にブレイブたちは一足先に向かっているはずだが、流石にまだ洞窟の中の主を討伐するには早いだろう。
 世界には魔王が生み出したとされる、魔族や魔獣がはびこり、人々の生活を脅かしていた。

 魔族や魔獣は様々な場所に生息し、人間と同じように群れていることがある。
 そういった場合には、必ず群れの主が存在していて、群れを統率しているのだ。

 そんな群れを討伐して、人々の生活に安寧をもたらすのも、勇者パーティを始めとした、討伐パーティの仕事だった。
 魔王討伐が任務なら、そんな寄り道せずにまっすぐ魔王を倒しにいけばいいという話をする人がいるが、それは無理な要求だ。

 魔王と呼ばれる存在が確かに存在すると信じられているが、それが何なのか、何処にいるのかを知る者はいない。
 しかし、魔王を討伐すれば、全ての魔族や魔獣の群れが瓦解すると信じられている。

 つまり、群れの主を討伐していれば、いつかは魔王を討伐できる日が来るかもしれない。
 というのが、私たち討伐パーティの最終目的なのだ。