スクールアイドル防衛隊〜通行人A子と弱虫王子〜

 そんなわけで、私(わたし)は今(いま)風紀委員(ふうきいいん)の部屋(へや)にいる。

「よし、じゃあ捜査(そうさ)チーム結成(けっせい)だ! 相模(さがみ)も協力(きようりよく)してくれるよな!」

 新崎(にいざき)先生(せんせい)はワクワクした様子(ようす)で私(わたし)を見(み)てきた。

 うーん、男子(だんし)って本当(ほんとう)こういう、事件(じけん)、だとか好(す)きだよなぁ。

 ヒーロー先輩(せんぱい)も天城(あまぎ)先輩(せんぱい)もワクワクした顔(かお)で話(はな)している。

 この二人(ふたり)は分(わ)かるけれど、新崎(にいざき)先生(せんせい)くらいの年齢(ねんれい)になってもそうなんだ。

 それとも新崎(にいざき)先生(せんせい)だから?

 ・・・なんか、子(こ)どもっぽいなぁ。

 そうは思(おも)うけれど、私(わたし)を見(み)る新崎(にいざき)先生(せんせい)の目(め)はいつもよりもキラリと輝(かがや)いていて、思(おも)わずドキリとしてしまう。

 先生(せんせい)って綺麗(きれい)な目(め)してるよなぁ。

 本当(ほんとう)、顔(かお)がいいってそれだけで得(とく)だ。

 しぶしぶ頷(うなず)くと、ニッと笑(わら)って皆(みんな)に向(む)き直(なお)る。

「それじゃあ捜査(そうさ)チームを2つに分(わ)けるぞー! 1つは花菱(はなびし)の近(ちか)くで牽制(けんせい)しつつ犯人(はんにん)を探(さが)すチームA、もう1つは遠(とお)くから全体(ぜんたい)を見(み)て、怪(あや)しいやつを探(さが)すチームBだ。」

 二手(ふたて)に分(わ)かれるんだ。

 でも、確(たし)かにストーカーなら、外(そと)から見(み)たほうが盗撮(とうさつ)現場(げんば)は見(み)つけることができそうだし、花菱(はなびし)先輩(せんぱい)の近(ちか)くにいれば、さっきみたいに私(わたし)が見(み)つけられるかもしれないもんね。

 さっき見(み)たストーカーだろう人(ひと)の姿(すがた)を思(おも)い出(だ)す。

 髪(かみ)は……おろしていて長(なが)かった。それに黒髪(くろかみ)。

 肩甲骨(けんこうこつ)ぐらいまで伸(の)びていたはず。

 だけどその他(ほか)の特徴(とくちょう)は思(おも)い出(だ)せない。

 この学園(がくえん)で、中等部(ちゅうとうぶ)だけだとしても、この特徴(とくちよう)を持(よ)つ人(ひと)は一体(いつたい)どれだけ居(い)るんだろう。

 あ~っ、もっとちゃんと見(み)ていればよかった、って後悔(こうかい)。
 
「そうだなぁ、とりあえず相模(さがみ)とハルマはチームAでいいな?」

「おっけー。」

 天城(あまぎ)先輩(せんぱい)がオッケーを出(だ)したので私(わたし)も頷(うなず)く。

 花菱(はなびし)先輩(せんぱい)の側(そば)にいるチームだよね、了解(りょうかい)。

 でも、ミヤと分(わ)かれちゃったかぁ。

 天城(あまぎ)先輩(せんぱい)優(やさ)しそうな人(ひと)ではあるけど、大丈夫(だいじょうぶ)かなぁ。

「で、緋色(ひいろ)とミヤがチームBだ。」

「リョーカイ!」

「分かりました!」

 呼(よ)ばれた二人(ふたり)は頷(うなず)いた。
 
「あれ、先生(せんせい)は?」

 天城(あまぎ)先輩(せんぱい)が不思議(ふしぎ)そうな顔(かお)で言(い)う。

 確(たし)かに、先生(せんせい)何(なに)も仕事(しごと)してないよね?

 あ、でも、先生(せんせい)の場合(ばあい)は授業(じゆぎよう)とかあるから、ずっと花菱(はなびし)先輩(せんぱい)を見(み)ているとかできないのかも。

「俺(オレ)は別仕事(べつしごと)だ。花菱(はなびし)、その盗撮(とうさつ)写真(しやしん)って残(のこ)ってるか? ある分(ぶん)全(すべ)て、俺(オレ)に貸(か)して欲(ほ)しい。」

 盗撮(とうさつ)写真(しやしん)を・・・?

「一応(いちおう)全部(ぜんぶ)、家(いえ)に保管(ほかん)してます。」

 花菱(はなびし)先輩(せんぱい)は頷(うなず)く。

 ちゃんと置(お)いてるんだ、えらい。

 そういう写真(しやしん)、いざ警察(けいさつ)に届(とど)けるときに証拠(しようこ)になるっていうもんね。

「でも、にいちゃん先生(せんせい)、盗撮(とうさつ)写真(しやしん)なんて、なんに使(つか)うの?」

 そうだよね、それ私(わたし)も気(き)になってた。

「どこから撮(と)ったのか調(しら)べる。それで少(すこ)しは行動(こうどう)パターンが分(わ)かるだろ?」

「え、でも、なかなかな量(りよう)ありますよ?」

 なかなか量(りよう)、その言葉(ことば)に新崎(にいざき)先生(せんせい)は呆(あき)れたような顔(かお)をした。

「花菱(はなびし)、お前(まえ)それだけ撮(と)られるってどんだけ警戒心(けいかいしん)薄(うす)いんだよ・・・。」

 うっ、と先輩(せんぱい)は苦(にが)い顔(かお)になった。