スクールアイドル防衛隊〜通行人A子と弱虫王子〜

「友達(ともだち)の作(つく)り方(かた)?」

 聞(き)き返(かえ)されたから、うんと頷(うなず)く。

 お母(かあ)さんは私(わたし)と違(ちが)って社交性(しやこうせい)があるんだ。

 誰(だれ)とでも、初(はじ)めての人(ひと)でも当(あ)たり前(まえ)みたいに話(はな)せるの。

 友達(ともだち)も多(おお)いみたいで、よく同窓会(どうそうかい)とかに行(い)ってるのを見(み)る。

 そんなお母(かあ)さんなら、もしかして分(わ)かるかもしれない。

 お母(かあ)さんはうーん、と悩(なや)んでから笑(わら)った。

「言(い)われてみれば分(わ)からないかも。難(むずか)しいね。」

「分(わ)からないの?」



 パチパチと瞬(まばた)きをした。

 お母(かあ)さんでも、分(わ)からないんだ。

 友達(ともだち)多(おお)い人(ひと)なのに。

「だって友達(ともだち)って、気(き)づけばなってるものだもの。」

 その言葉(ことば)になんとも言(い)えない顔(かお)になる。

 気(き)づけばなってるって、そんな曖昧(あいまい)な。

 でも、私(わたし)とルリちゃんとカオルの関係(かんけい)もそうだったな。

 そういうものなのかなぁ友達(ともだち)って。

 でも、それって、答(こた)えが分(わ)からないから凄(すご)くハードルが高(たか)いように思(おも)える・・・。

「強(し)いて言(い)うなら、自分(じぶん)から話(はな)しかけること、かしら。相手(あいて)から話題(わだい)を振(ふ)られるのを待(ま)つより、自分(じぶん)から言(い)っちゃったほうが確実(かくじつ)でしょ?」

 うっ、私(わたし)が苦手(にがて)なことだ。

 話(はな)しかけようと思っても、何(なに)を話(はな)せばいいか分(わ)からなくて、そんなこと考(かんが)えてる間(あいだ)にタイミングを失(うしな)ってしまうんだ。

 それに、話(はな)しかけたら話(はな)しかけたで、話(はなし)を続(つづ)けられないし。

「その話(はな)しかけ方(かた)が分(わ)かったら苦労(くろう)しないよ・・・。」

「それは、慣(な)れるしかないわねえ。というか、そんなこと聞(き)くなんて、友達(ともだち)になりたい子(こ)でもいるの?」

 パッとミヤさんの姿(すがた)が浮(う)かんだ。

「・・・ううん、なんでもない。ただ聞(き)いただけ。」

 なんとなく、ミヤさんのことは隠(かく)す。

 だって、なんだか・・・恥(は)ずかしかったんだもの。

「・・・そうねえ、お母(かあ)さんも、昔(むかし)はそうだった。」

 え?

 突然(とつぜん)の言葉(ことば)に驚(おどろ)く。

 昔(むかし)はそうだったって・・・私(わたし)と同(おな)じで人付(ひとづ)き合(あ)いが苦手(にがて)だったってこと?

 そんな、うそでしょ?
 
 お母(かあ)さん今(いま)はあんなに社交上手(しやこうじょうず)なのに。

「お母(かあ)さんもね、昔(むかし)はすごい人見知(ひとみし)りで、本(ほん)の虫(むし)だったの。」

 本(ほん)の虫(むし)って、本(ほん)ばっかり読(よ)んでいる人(ひと)のことで、私(わたし)もそんな人(ひと)なんだけど、まさかお母(かあ)さんもそうだったなんて。

 意外(いがい)すぎて、お箸(はし)が止(と)まった。

「いつも本(ほん)ばっかり読(よ)んでいて、友達(ともだち)も少(すく)なかった。空想(くうそう)の世界(せかい)にずっと浸(ひた)ってるようなそんな子(こ)だった。」

 へええ。

 今(いま)のお母(かあ)さんからは想像(そうぞう)ができない。

 だって今(いま)のお母(かあ)さんはすごいアクティブ。

 家(いえ)より外(そと)にいる方(ほう)がいきいきするような、そんな人(ひと)だから。