触れられた部分から安心感が伝わってきて少しだけ心が静まった。

それでもまだ体が火照っている。

中村さんの温もりとはまた違う、熱く燃える何かが全身を流れて私の体温を上げる。

私を軽々と包み込む長い腕。
綺麗に整った鼻筋。
サラサラの黒髪。
前髪の隙間から見える瞳。
透き通るように白い肌。

先生の吐息が私の耳を捕らえた。

そのまま耳元で「言ってるさなから...」と呟いた。
そして、付け加えるようにこう言った「しょうがないやつだな」。
呆れた声の中にも優しさを感じる。