消えた未来の片隅で


「よし!卒業式始めようぜー」

加奈が何やら準備をし始めた。

「ちょっと待ってて」

希も私から離れて棚へ向かう。
その間私から離れようとしない愛莉咲も引っ張られて行った。


「良かったな」

「先生知ってたんですか」

「中村さんに頼まれて」
「てか、お前、涙」

先生は人差し指で頬を伝う涙をすくい上げた。

これってよく少女漫画であるやつじゃん!

体中が熱を帯びてさっきの涙が蒸発してしまいそうだ。

「あとはここを卒業してもらわないとな」

軽く弾むように笑いをこぼして先生は言った。