消えた未来の片隅で


「あーそれね」

少し肌寒い風が頬を撫でる。


「言わない」

「どうして」

「だって、急にそんなこと言われたら困るでしょ」

「あの子たちなら受け入れてくれると思うけど」
深く息を吐くように言った。

「私が嫌なの」

「私に残された時間が限られてるって知ったらきっとあの子たちも私も変わってしまう」

「ずっと変わらないでいて欲しいの。笑顔でいたい」

「ずっと変わらない笑顔の私がみんなの中で生きられるように」