消えた未来の片隅で

「どうしたの?なんか加奈に言いたいことでもあるの?」

棚の上を片付けながら希が言った。

「いや...その...無理させてないかなって思って」

私の一言に二人がゆっくりと振り向く。

「変に心配かけて...不安にさせてないかなって...」

二人の顔が見れない。
それはこういう言葉こそ相手を困らせるとどこかで分かっているからかもしれない。

「忙しいのにお見舞い来てくれてたりしてるのかなって...」

加奈も用事があって忙しいみたいだし...。

「私のせいで無理させてないかなって...思ったりしちゃって...」

最後に へへへ と重くなった空気に割り込むように笑ってみたがもう遅かった。

二人はどんな顔して私の話を聞いているんだろうか。
私が言うべきことじゃないと分かっていた。
でも、どうしても言わずにはいられなかった。


いつか崩れてしまいそうで。