消えた未来の片隅で

<小さな卒業式>

「りうーん!!めっちゃ久しぶりじゃん!!会いたかったよぉー」

入ってきて早々抱きついて来た愛莉咲の目は少し涙ぐんでいた。

その後ろで私たちを優しい目で見守る希。

「久しぶり」

こちらにニコリと向けた笑顔とその一言が安心をくれる。
それと同時に何かを思い出させる。

希にニコリと笑い返して見せたが、きっと器用なものではなかったと思う。