消えた未来の片隅で

「あら、いつもより血圧低いね。頭痛かったりしない?」

中村さんは血圧計を片付けながら私に問いかけた。

「はい。全然大丈夫です!」

「そう?ならいいんだけど、ちょっと様子見ようね」

「はい!了解です!」

開いた窓から吹き込んだ風に今度は爽やかさを感じた。

中村さんは手際よく医療器具を片付ける手を止めて私に向き直った。

「卒業おめでとう」