菜月が居ない間、俺は小物が置いてある場所に居た。



菜月に似合いそうかな?とネックレスを見ていると不愉快な事が起きた。



「今の小松崎 菜月じゃね?」

「アイツ、調子乗り過ぎなんだよなっ」

「今度は矢野センだって!!」

「遊ばれて捨てられちゃえよ」



―――耳に入ってきたのは、悪口と馬鹿にした笑い声。



菜月には聞こえてないといいな。



「何かあるなら正々堂々、言ってくれない?隣のクラスの原田さん、石井さん」



俺の近くで噂している女子高生に気付いていたらしく、菜月は戻って来るなり、ハッキリと言い放った。



隣のクラスなんだ?



俺は面識ないから、分からない。



「行こっ、啓太!!」



「あ、あぁ…」



固まっている女子高生を横目に、菜月が俺の手を引いて店を出た。



アノ人達に、

『菜月はそんなんじゃない』

とハッキリ言えば良かった。

結果的に見て見て見ぬふりになってしまい、自己嫌悪。



最低!!