星と月のセレナーデ






一瞬何が起きたか分からなかった。



「 え?轢かれた? 」
「 やばくない? 」
「 救急車呼ばなくて平気かな... 」



ザワザワとした野次馬の声を聞いて
ハッ...とする


野次馬達を掻き分けて一番前に行けば
先ほバイクの運転していた人は立ち上がっている


意識はあるみたい


倒れたバイクを起こして
また乗り出そうとしていた。


遠くの方から
ブォォンと数台のバイクが近付いてくる音がする



まるでこの人を追っているよう。



音に気が付いたのか
事故を起こしたバイクは走り去っていき

私の前を
4台のバイクが猛スピードで走っていった。