星と月のセレナーデ






どんどんと近づいてくる音へ集中していれば

痺れを切らしたのか友香が
「 もう〜歩くよ〜 」と私の手を握り1歩
足を踏み込む



『 下がって! 』



目の前には大きな十字路

あと少しで白線を超えるあたりまで来ていた。

大きな声を出せばびっくりした表情で
一歩も動こうとしない2人の腕を引っ張る


近づいてくる音は目の前まで来ていて
ドカンと大きな音と共に

数台の車の急ブレーキ音が鳴り響いた



「 え...。 」

「 う、嘘 」



人が群がっている方へと足を進める。


ザワザワと野次馬達が群れを作る