星と月のセレナーデ






フワリと香る匂いと覚えのある体温を感じる



『 界人... 』

「 ん...?どした? 」



いつもより優しい声が上から降ってきて
ブワッと耐えていたものが溢れ出る

頭に腕を回し私の顔を手で覆い隠しながら
自分の胸へと押し当て背中をポンポンと叩く



「 こいつの荷物は? 」

「 全部鞄の中に入ってます 」

「 悪いな、こいつ連れて帰るわ。 」



この空気に反論する人なんて居なくて
グッタリと界人に預けてた体を
なんの躊躇いも無く抱き上げてはスタスタと歩く



「 首痛くねぇか? 」

『 ん... 』



小さく返事をした私の頭を1度だけ撫でて
外に止まってる車へと運んでくれる
「 すぐ戻る 」その言葉だけを残してバタンと扉が閉まった


窓の外へ視線を向ければ
薄らと見える 界人と志帆が何かを話してる姿


一体何を話してるんだろう?なんて思えば
直ぐに界人は戻ってきて車がゆっくりと動いた


私の目元に手を覆い被せ
「 少し寝とけ 」と言った言葉を最後に
私の意識は薄れていった