星と月のセレナーデ






『 何も聞かないの? 』



無事に鞄を取り
駐車場まで向かう途中

私は弥涼に聞いた



「 聞いて欲しいの? 」

『 んーん 』

「 でしょ?だから聞かないよ
ただ、俺の質問に答えて 」



単車を前に立ち止まって
真剣な表情で私のことを見る



『 何? 』

「 星南ちゃんってさ、お兄さんいる? 」



確認したいことってそれ?
なんだか身構えた私が馬鹿みたいだ



『 あー、居るよ。 リュウタロスが 』

「 え?仮面ライダー? 」

『 そッ お兄ちゃん 』



笑った彼は
「そっか、じゃあ違うか」と呟いていた



その日は弥涼が家まで送ってくれた