星と月のセレナーデ






まさかこんなところで会うなんて思ってもみなかった。


ただとても綺麗な人だと言うことはわかった。
あと2人の仲がとても親しいと言うことも



『 ごめっ、帰るね!用事できちゃった。』

「 送る 」

『 いや、大丈夫だよ! 』

「 何?修羅場? 」



張り詰めた空気感 取り残されたような疎外感を
一気に取り払ってくれるような声

知ってる声に胸を撫で下ろす



「 弥涼じゃ〜ん! この時間いるの珍しくない? 」

「 今からバイト、で?星南ちゃんどした?」



一番最初に会った時は制服着てた弥涼
ラフな格好をして単車の鍵を回しながら
私達の元へやってきた



『 帰ろうかなって! 』

「 そうなの?送っていくよ。いいよね?界 」

「...わかった。」



私の腕を掴んでいた界人はそっと私から手を離した



「 星南ちゃんの鞄取ってくるわ 」

『 私も行く 』



この2人と今は一緒に居たくない。
でも、1人にはなりたくない。

そんなわがままで弥涼の服を引っ張れば
ニコッと笑ってくれた

道中会話があることはなく
静かに私達の足音が響くだけだった。