星と月のセレナーデ






あの時の彼と重なって見えた

夢の中の彼と

引っ込めることの出来ない手は
行く場所をさ迷ってる

うっすらと目を開く彼は
私の顔を見るなりニコリと笑って



「 起きたのか 」

『 う、ん。 』

「 帰るんだろ、送ってく 」



何もなかったかのようにさっと立ち上がり
行く場所のなかった私の手を引いていく



『 なんで、ここにいるの? 』

「 さぁな。」



誰もいない校舎で私たちの声が響く
昼間の彼と同様に何も教えてくれない。

今日は秘密な事ばかり