「あ…ごめん、私もうそろそろオフィスに戻んなきゃなんだよね!」
「あ、そっか…じゃ、私一人で行ってくるー」
結局一人で売店に向かうことになった綾乃は、トボトボと社内の廊下を歩くのだった。
そして、“本気で好きな人相手なら、無茶振りなんてしないくせに(笑)”という、咲子の言葉を一人思い出していた。
「(本気で好きな人…か)」
売店へ向かう道を少し進んだ先の廊下に人だかりができているのに気が付き、歩みを止める。
そこは撮影室の扉だった。
「(あれって、カタログとかパンフレットに使う写真のモデルさんとかが撮影してる部屋だよね?あの女ばっかりの人だかりって、もしかして…)」
興味本位で人混みの隙間から部屋の中を覗いてみると、そこでモデルとして撮影中の、思った通りの人物の姿が目に入る。
「いいね、桐矢くん!」
「その化粧水のボトルにキスしてみて?」
そんなカメラマンからの指示内容を考えると、どうやら女性向けの化粧品のカタログ雑誌のモデル役をしているようだ。
遠巻きに一瞬葵の姿を見ただけのつもりが、なんとなく目が離せなくなっていく。
「あ、そっか…じゃ、私一人で行ってくるー」
結局一人で売店に向かうことになった綾乃は、トボトボと社内の廊下を歩くのだった。
そして、“本気で好きな人相手なら、無茶振りなんてしないくせに(笑)”という、咲子の言葉を一人思い出していた。
「(本気で好きな人…か)」
売店へ向かう道を少し進んだ先の廊下に人だかりができているのに気が付き、歩みを止める。
そこは撮影室の扉だった。
「(あれって、カタログとかパンフレットに使う写真のモデルさんとかが撮影してる部屋だよね?あの女ばっかりの人だかりって、もしかして…)」
興味本位で人混みの隙間から部屋の中を覗いてみると、そこでモデルとして撮影中の、思った通りの人物の姿が目に入る。
「いいね、桐矢くん!」
「その化粧水のボトルにキスしてみて?」
そんなカメラマンからの指示内容を考えると、どうやら女性向けの化粧品のカタログ雑誌のモデル役をしているようだ。
遠巻きに一瞬葵の姿を見ただけのつもりが、なんとなく目が離せなくなっていく。
