それは、“大手企業のイケメン御曹司くん”からのメッセージ。


「(ああ…そういえばまだいたんだっけ、御曹司くんが)」


苛立ちを抑えきれないまま、メッセージを確認してみる。


『綾乃ちゃん、今夜会えないかな?実は、夜景が一望できるラウンジ席をとってあるんだ。もちろん、キミと素敵なひと時を分かち合うためだよ。ぜひ、来て欲しい。』


ギュッと握りしめた拳を胸にあてて、綾乃は決意する。


「(恋愛対象外で結構!!私には、超一流の男との大恋愛が待ってるんだから!!)」


意地で凝り固まった先に待つものとは、果たして───。