「ちょっと待てって」
後ろからかすかに聞こえてくる金髪の声。
ほんとにいやだ。むりむりむり。
と次の瞬間私はふわっと宙に浮いた。
しまった。石につまづいたらしい。
「パシッ。」
転ぶと思ったのに私の目の前には金髪の顔が。
「ったく危ねぇな。いい加減にしろよ。」
「ごっごめんなさい。足元分からなくて」
「別にいいけど。俺はお前に謝りたくてきたのに逃げられるわ。転ぶわ。やめてくれよ」
まさかなんでこいつに謝られないといけないの。私別になんにもしてないし。悪いこともされてないのに。
「もっもう大丈夫なので。その。ありがとうございました!」
その日はそのまま家路についた。