キミとオジサン

「泣くなら
もぉそんなこと言うなよ」


オジサンがシャツを着て
ティッシュを私に渡した


「違うの…オジサン」


「え、なに…?」


「オジサンにされそうになったことに
泣いてるんじゃなくて…

好きだった人のこと…
思い出したの

好きだったの…
私にも好きな人いたの…」


オジサンが学生の時にした純愛とは違うけど
私も必死に好きだった


あの夏の日


大好きだった


流れとか軽い気持ちとかじゃなくて
私だって真剣だった