キミとオジサン

「なんか今日気持ち豪華じゃね?
キミ、バイトの給料日だったとか?」


夕飯を見てオジサンが言った


「んーん…
ただ、私が食べたかったから」


誕生日だからって言わなかった


ただ私が食べたいものを作った

ローストビーフ

今日で2回目
なかなかよくできた


最初に作った時は
好きな人のリクエストだった


「オジサン、好きな食べ物は?」


「んー…なんでも好き」


「じゃあ、嫌いな食べ物は?」


「んー…特にない」


「じゃあ、好きな女性のタイプは?」


「人間ならいいよ」


「かわいい人と綺麗な人ならどっち?」


「綺麗でかわいい人」


「髪は長い方が好き?短い方が好き?」


「短い子が多かった」


「背は高い方が好き?小さい方が好き?」


「オレと並んでつり合えばOK」


「痩せてる人とぽっちゃりしてる人どっち?」


「抱いて気持ちいい人」


「オジサン、理想高いね」


「そお?
キミが聞くから答えただけ
最初に言っただろ
人間ならいいって…

なんでそんなこと聞くの?」


「ん?気になるから…」


わかったことは

私はオジサンのタイプに
当てはまってなさそう


まぁ当てはまってるといえば…

人間


それも危うい

私、猫だった


あ、オジサンの誕生日っていつだろう